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特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005
2. 皮膚疾患の病態
かゆみのメカニズムの新しい考え方
An updated review of itch mechanism
生駒 晃彦
1
Akihiko IKOMA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology,Graduate School of Medicine,Kyoto University
キーワード:
かゆみに特異的な神経経路
,
かゆみ過敏
,
itch-scratchの悪循環
Keyword:
かゆみに特異的な神経経路
,
かゆみ過敏
,
itch-scratchの悪循環
pp.44-48
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100131
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要約
痛みと異なるかゆみの伝達経路の存在が明らかにされたことで,かゆみのメカニズムの理解は大きく前進した.しかし,それはヒスタミンによるかゆみの伝達経路であり,すべてのかゆみを説明できるものではない.最近の電気刺激によるかゆみ誘発法を用いた研究では,新たなかゆみの神経の存在が示唆されている.さらに,病態のかゆみを理解するうえではかゆみ過敏の理解も必要である.かゆみ過敏状態では通常かゆみを生じないようなさまざまな刺激がかゆみを生じてしまう.かゆみを抑制するはずの痛み刺激までもがかゆみを生じる.その結果,アトピー性皮膚炎患者でもよくみられるitch-scratchの悪循環が発生する.かゆみ過敏状態ではさまざまな炎症性メディエーターがかゆみを生じうるので,炎症そのものを抑制しない限りかゆみを抑えることはできない.
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