Japanese
English
特集 最近のトピックス2005 Clinical Dermatology 2005
2. 皮膚疾患の病態
SpongiosisとTh1/Th2バランス
Spongiosis and Th1/Th2 balance
小林 順一
1
,
古江 増隆
2
Junichi KOBAYASHI
1
,
Masutaka FURUE
2
1新日鐵八幡記念病院皮膚科
2九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
1Division of Dermatology,Nippon Steel Yawata Memorial Hospital
2Department of Dermatology,Graduate School of Medical Sciences,Kyushu University
キーワード:
spongiosis
,
Th1/Th2バランス
,
アトピー性皮膚炎
,
透過性
,
カドヘリン
Keyword:
spongiosis
,
Th1/Th2バランス
,
アトピー性皮膚炎
,
透過性
,
カドヘリン
pp.39-43
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100130
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要約
アトピー性皮膚炎において,急性期病変ではTh2優位,慢性期病変ではTh1優位となり,ステージによるTh1/Th2バランスのシフトが知られている.われわれは培養ケラチノサイトにIFN-γ(Th1)とIL-4(Th2)を加えて培養し,電気抵抗値(TER)とデキストラン粒子の透過量(Flux assay)を測定して培養ケラチノサイトシートの透過性を検討した.結果,IFN-γは経ケラチノサイト物質透過を抑制し,IL-4は物質透過を亢進した.さらに,IFN-γはケラチノサイトのE-カドヘリンとデスモグレイン3の細胞膜への移行を促進して表皮細胞の接合を強固にし,逆にIL-4によって接合が減弱することが示された.すなわち,Th1/Th2バランスのシフトによってケラチノサイトの細胞間接合の強さが相反して調節され,水分や血漿蛋白の体内から表皮内への移行が制御されている可能性が示された.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.