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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010
4. 皮膚疾患治療のポイント
透析のかゆみに対する新しい治療
Novel drug for the treatment of itch in haemodialysis patients
高森 建二
1
,
熊谷 裕生
2
Kenji TAKAMORI
1
,
Hiroo KUMAGAI
2
1順天堂大学医学部附属浦安病院
2防衛医科大学腎臓内科
1Juntendo University Urayasu Hospital,Urayasu,Japan
2Deaprtment of Nephrology,National Defense Medical College Hospita,Tokorozawa,Japan
キーワード:
難治性かゆみ
,
透析性かゆみ
,
オピオイド
,
κ-オピオイドレセプターアゴニスト
,
レミッチ®
Keyword:
難治性かゆみ
,
透析性かゆみ
,
オピオイド
,
κ-オピオイドレセプターアゴニスト
,
レミッチ®
pp.104-107
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102583
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要約 かゆみには抗ヒスタミン薬が奏効するかゆみと抗ヒスタミン薬に抵抗するかゆみがある.透析に伴うかゆみは後者の例で,かゆみ発現にオピオイド系の関与する中枢性かゆみ機序が作動していることが明らかになり,制御法も明らかになった.本症ではμ-オピオイド系(β-エンドルフィン/μ-レセプター)がκ-オピオイド系(ダイノルフィン/κ-レセプター)より優位になっているためにかゆみが生じており,κ-オピオイド系を優位にすることによりかゆみが抑制される.この考え方により開発されたのが新規かゆみ治療薬であるナルフィラフィン(レミッチ®)である.従来の治療法に抵抗する,かゆみを呈する維持透析患者に1日1回内服投与することにより,ほとんど全例においてかゆみが抑制され,患者のQOLが著しく改善されている.本稿では透析に伴うかゆみの発現メカニズムと新規薬剤について解説した.
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