Japanese
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特集 睡眠呼吸障害
睡眠呼吸障害の原因としての耳鼻咽喉科領域疾患
Diseases in the field of otorhinopharyngolaryngology as tse cause of ventilatory disturbance during sleep
戸川 清
1
,
宮崎 総一郎
1
Kiyoshi Togawa
1
,
Soichiro Miyazaki
1
1秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology Akita University School of Medicine
pp.17-20
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205394
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はじめに
睡眠呼吸障害の原因は多様であるが,頻度的には上気道狭窄がその主因をなす(表1)。上気道に狭窄が無い正常者でも仰臥睡眠時には上気道構成諸筋の緊張が弛み,軟口蓋と舌根が後方へ沈下して咽頭腔が狭まるが(図1),通常は寝息程度でいびきを発しない。しかし上気道に何らかの狭窄があると,覚醒時のように意識的に口呼吸はせず,狭まった気道を通して呼吸を続けようとするが、充分な換気が得られず,血中O2分圧低下,同CO2分圧上昇,O2飽和度低下をきたし,反射的に換気努力が強まる。増大した呼吸陰・陽圧により生じた気流が上気道狭窄部を通過する際に,Bernouilli効果が加わって後口蓋弓自由縁,口蓋唾,咽頭壁,喉頭蓋,喉頭披裂部などが振動して雑音すなわちいびきが生じる1〜3)。
気道狭窄による睡眠呼吸障害の呼吸様式は持続性と周期性(無呼吸と大呼吸からなる)に大別される。いびきも持続型と断続型に分けられる。持続型は睡眠中を通して上気道狭窄に打ち勝つ大きな呼吸運動によって呼吸が規則的に続けられる場合に,それに同期して生じる。これは上気道中等度狭窄例の深睡眠期にみられる。断続型のいびきは周期性呼吸の大呼吸に同期して生じる。中等度狭窄例の浅睡眠期やREM睡眠期と高度狭窄で深睡眠期にまで入れない例にみられる。同一人で両型が記録されることもある(図2)。
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