目でみる耳鼻咽喉科
粘膜下下甲介切除術への一工夫
川合 正和
1
,
吉田 美加
1
,
金 慶訓
2
,
奥山 孝
2
1南陽市立総合病院耳鼻咽喉科
2山形大学医学部耳鼻咽喉科
pp.570-571
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902676
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近年,重症の副鼻腔炎,鼻茸が減少し,鼻内深部の手術に熟達した術者は減少する傾向にある。下甲介切除術は,鼻内篩骨洞手術などに比し,神経損傷などのmajor troubleを合併する恐れがなく,minor troubleを予防できれば,保存的治療で改善しない鼻閉に対して幅広い適応を持つと考えられる。
従来の鼻甲介粘膜切除術では手技は簡単ではあるが,効果が不十分なことも多く,また術後,粘膜欠損面の痂皮付着に悩まされることも多かった。さらに粘膜欠損面は瘢痕性に治癒するため,健常な粘膜の持つ加温,加湿の機能に欠け,術後長期にわたり,咽頭・鼻内の乾燥感などの不快感を惹起することも多かった。
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