鏡下咡語
過酷な研修医勤務時間は改善されるか—日本とアメリカの状況をめぐって
坂井 真
1,2
1茅ヶ崎中央病院
2東海大学
pp.944-945
発行日 2002年12月20日
Published Date 2002/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902652
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某医科大学の耳鼻科研修医が急死した事件をめぐって,研修医のあまりにも過酷な勤務状況が死亡と関連があるとして両親が過労死の認定を申請し認められたことが報じられた。その際,わが国では研修医の中には,今どきの中学生の携帯電話料金の1か月分程度の月2〜3万円の報酬で長時間の勤務に耐え,さらに生活費のために市中の病院当直さえもやらざるを得ない実態が新聞紙上で明らかにされた。研修のためとはいえ過酷労働に耐え忍んでいる若い研修医の存在を,世間一般の人に理解してもらうことに役立った事件ではなかろうか。
実は研修医の過酷な勤務状態がアメリカでも問題になった事件があったと,American College of Surgeons(ACS)の会員向け月刊誌3月号に載っているので紹介したい1)。
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