徹底分析シリーズ 麻酔科医の薬物依存
過酷な労働条件と孤立の中でオピオイド依存へ—そして,現在直面している困難
阿部 正幸
Masayuki ABE
pp.438-442
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201648
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本稿は,私の担当医である国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神科の松本俊彦先生からの依頼による。ほとんど経験者のいない医療用麻薬の長期常用者として,生々しく書いてほしい,とのことであったので,赤裸々な実体験を記載させていただく。
私は循環器内科専門医として,ある地方自治体総合病院(以下,病院)に勤務していたところ,オピオイドの適応外使用により麻薬・向精神薬取締法違反で起訴され実刑判決を受けた。現在は刑期満了し無職である。
本稿の内容は私の体験談として,①オピオイド使用に至った経緯,②オピオイドの効果,③離脱の難しさ,④再使用しないための努力,⑤現在直面している困難,⑥医学教育と偏見,に分けて順に述べることとする。
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