鏡下咡語
ロシア訪問記
茂木 五郎
1
1大分医科大学医学部附属病院
pp.618-620
発行日 2002年8月20日
Published Date 2002/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902603
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本誌68巻(1996年)13号の海外トピックスに「ロシア鼻科学会」という拙文を掲載させて頂いた。2001年6月に4度目のロシア訪問の機会を得たので,前回(第3回),1998年5月の渡露と合わせてレポートしたい。
ロシア耳鼻咽喉科学会は既に19世紀末に設立されているが,関連する学会,つまり,耳学会,鼻学会などはなかった。ペレストロイカ以後,ロシアの鼻科学を中心とした人々が,ロシア鼻科学会を1993年に設立,その記念学会がモスクワで開催され,それに招待され特別講演を担当し,以後1996年と1998年のロシア鼻科学会に招かれた。1998年の第3回はKursk市で開催された。この都市の名前は,昨年ロシアの原子力潜水艦がノルウエー沖で沈没,100名近くの乗組員が死亡したことが大きく報道されたが,その艦の名前がKurskである。モスクワから南へ列車で約6時間(300km),何の変哲もない田舎の小都市で,第2次世界大戦の激戦地としてロシアでは知られている。会長が地元大学の教授で,ロシア鼻科学会の重鎮,G.Pisku-nov先生の実兄である。
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