特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
頸部
40.正中頸嚢胞,側頸嚢胞の手術
岡本 牧人
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.191-193
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902558
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はじめに
正中頸嚢胞は甲状舌管の遺残組織から発生する。舌盲孔から甲状腺峡部の間のどこにでも発生し得る1)(図1)。側頸嚢胞は第2鰓裂の遺残組織で,胸鎖乳突筋前縁部から頸動脈分岐を経て口蓋扁桃の上極までのいずれかの部位に嚢胞性腫瘤,またはダクトを遺残する2,3)(図2)。いずれも先天性疾患であり,部位や腫瘤の性状が特徴的であるので,慣れれば診断ミスをすることは少ない。
診断において特に注意すべき点は,先天性であるが成人にもみられる(年配になって発症することもある)こと4),上気道炎に伴って消長するなどリンパ節のような臨床症状を呈することがあるなどのポイントを押さえておくことである。
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