特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
頸部
41.頸部郭清術
米川 博之
1
,
鎌田 信悦
1
1癌研究会附属病院頭頸科
pp.195-199
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902559
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はじめに
癌に対する熟練した手術手技は,術中・術後の合併症を減らし,癌の根治性を高め,計画的な術後治療を可能にする。ひいては生存率やQOLに貢献し得る。一方,術後合併症は全身疾患の罹患率を上げ,創傷治癒を遅らせ,入院期間の延長や頻回の手術操作を余儀なくさせる場合がある。
頸部郭清における危険性を最小限にするには,腫瘍の評価,手術適応,手術野の解剖を知ることが大切であることはいうまでもない。また,高齢者を対象にすることが多いことから,患者の併存疾患や全身合併症の危険度を無視するわけにはいかない。しかし誌面の都合上,本稿ではそれらは成書に任せ,一般に行われる頸部郭清術の特に重要と思われる頸部郭清術野に関する周術期の合併症の危険度について言及する。
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