特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法
頸部の手術
2.頸部嚢胞摘出術 2)側頸嚢胞(鰓性嚢胞)摘出術
高橋 廣臣
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.142-144
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901476
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はじめに
鰓性嚢胞は,いずれの鰓裂からも発生するが,日常臨床上最も頻度が高いものは第2鰓裂より発生するいわゆる側頸嚢胞である。
第2鰓裂性嚢胞の発生部位は,側頸部の内外頸動脈分岐部の高さか,やや下方である。腫瘤は,楕円球形で軟らかく(波動を触れることもある),表面は平滑で,前半分は胸鎖乳突筋より前方の広頸筋直下にあって触れやすく,後ろ半分は胸鎖乳突筋の裏側(深部)にあり触れにくいという特徴をもつタイプが最も多い(Bailey1)II型)。Baileyはこの腫瘤をI〜IV型に分類し,I型は皮膚直下にあるもの,II型は深頸部の頸動脈分岐部より浅い部分にあるもの,III型は内外頸動脈分岐部に騎乗するようにあるもの,IV型は咽頭(扁桃窩)粘膜下にあるものとした。
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