Japanese
English
原著
側頸嚢胞の1例
A Case of Lateral Cervical Cyst
福田 金壽
1
,
斉藤 一義
1
,
池田 重雄
1
Kanehisa FUKUTA
1
,
Kazuyoshi SAITOH
1
,
Shigeo IKEDA
1
1埼玉医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Saitama Medical School
pp.935-940
発行日 1980年10月1日
Published Date 1980/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202309
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46歳,主婦.12年前に左側頸部にクルミ大の皮下腫瘤出現し,近医にて結核性リンパ節炎と診断され半年間内服療法を受けたが腫瘤の縮小はみられなかった.その後某大学病院外科にて摘出術を施行された.最近,前回の手術創下に超鶏卵大の皮下腫瘤が再び出現したため,再度摘出術を施行された.腫瘤は胸鎖乳突筋前縁と顎二腹筋後腹との間に囲まれ下床では周囲結合組織,迷走神経,内頸静脈との癒着が高度で剥離は困難であった.腫瘤を1魂として完全摘出後腫瘤内容の一般細菌培養および結核菌培養検査を行ったが共に陰性であった.組織学的に嚢腫内腔は重層扁平上皮と円柱上皮と多列線毛上皮の3種類の上皮により被覆され,上皮下には,芽中心を有するリンバ小節が孤立性にあるいは集簇性に認められた.術後4ヵ月後経過観察中であるが腫瘤の再発はみられない.
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