特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
口腔咽頭
28.睡眠時無呼吸症候群の手術
西村 忠郎
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院耳鼻咽喉科
pp.133-136
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902546
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)のうち,一般的に手術の対象となるのは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apneasyndrome:OSAS)であり,SASの80%以上を占める。OSASの患者は肥満傾向の人が多い点や,高血圧があったり,既に循環器系の障害を有していたり,小顎症や巨舌症があり上気道狭窄を起こしやすい傾向があるなど,手術に際して術前・術中・術後にわたって注意を要する点が多い。
当科では手術決定の前にもOSASがあるか否か,存在するとすれば重症,中等症あるいは軽症であるかを睡眠中モニター検査(当科ではAliceIIIというヘルスダイン社製のポリソムノグラフを使用)したうえで,OSASの原因部位診断に対して超高速MRIおよび,上気道内視鏡検査を行っている。その検査結果から,どの部位に対してどのような手術をすべきかを決定している。それが手術のリスクマネージメント,および手術成績向上のために極めて重要と考えている。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.