目でみる耳鼻咽喉科
下咽頭および喉頭血管腫に対するKTPレーザー光凝固
小坂 道也
1
,
中田 道広
1
,
赤木 博文
1
,
西岡 信二
1
,
鶴迫 裕一
1
,
小川 晃弘
1
,
西崎 和則
1
,
増田 游
1
1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.590-591
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901637
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頭頸部は血管腫の好発部位であり,その中でも鼻腔,口腔,咽頭に多く,喉頭では比較的稀である1)。
下咽頭および喉頭血管腫に対する治療には従来,経過観察,放射線療法,ステロイド療法,硬化療法,外科的切除などが行われてきたが1),近年では侵襲がより少なく,効果が確実で出血も少ないレーザー療法が主流となってきている。以前よりCO2レーザー,Nd-YAGレーザーが血管腫の治療に使用されてきたが,止血効果が不十分との報告もあった2)。最近ではKTP/532レーザーが注目され,その波長が水に吸収されにくく,極めてよくヘモグロビンに吸収され出血が少ないことから,現在のところ血管腫の治療に最適とされている1)。また,KTP/532レーザーは,レーザー光を石英ファイバーで導光することができ,接触,非接触どちらでも使用でき,喉頭などの治療では操作性においても優れている3)。
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