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はじめに
めまいは,耳鼻咽喉科においては日常的な症候の1つであるが,その原因は多領域に及んでおり診断に苦慮することも多い。丁寧な問診を行ったうえで,的確に検査を選択していくことが必要となる。めまいの診断にあたり行われる検査の中でも,平衡機能を評価するための神経耳科学的検査の果たす役割は大きいと考えられる。
当科では1967年より『めまい外来』を開設し,めまい患者の診察を行ってきた。現在までに既に約1万例を超すめまいの新患がこの外来を受診し,そのめまいの病因は耳鼻咽喉科領域にとどまらず,脳神経外科,内科,神経科など広い範囲にわたっている。当科では以前にもこのめまい外来の統計を行いその結果を報告している1,2)。また,過去にめまいについての統計や検討は他の施設からも数多くなされている3〜6)。しかし,1万例に及ぶ多くの症例についての検討は未だなされておらず,また以前当科で報告を行ってからも,めまいの診断技術の向上や社会環境の変化などから,めまい疾患の傾向は変化してきているものと思われる。そこで今回われわれは,めまい患者1万例の統計的検討を行い,その神経耳科学的検査の結果も加えて報告する。
We analyzed 10,712 patients with vertigo who visited our clinic from 1976 to 1994.
We concluded as follows :
1. The number of patients with vertigo is increasing, especially in the elderly.
2 . Benign paroxysmal positional vertigo seems to be the most common entity, predominantly in the elderly.
3. The number of patients with acoustic neuri-noma is also increasing recently, due to better diagnosis with the aid of ABR and MRI.
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