特集 再建外科
I.再建材料とその採取法
2.皮弁
(1)有茎—DP皮弁の特徴と安全な採取法
永原 國彦
1
1国立京都病院耳鼻咽喉科・臨床研究部
pp.15-19
発行日 1999年4月30日
Published Date 1999/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901967
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はじめに
これまでに開発された多数の有茎皮弁のうちで,現在もその利用価値が広く認められているものはDP皮弁と前頭皮弁であろう。これらはいずれもaxial patternの血行を主体とした生きのよい皮弁であり,遊離皮弁が普及した近年においても,皮弁の採取に少しの工夫を加えることにより,その広い適応ならびに有用性は保証されていると考える者は多い。
本稿では,浅側頭動静脈に栄養され,頭蓋底の再建や顔面,鼻などの再建に用いられる前頭皮弁には触れず,頭頸部外科術後の再建において,頸部皮膚欠損の被覆のみならず,喉頭・気管あるいは中咽頭から頸部食道に至る再建において,広い適応をもつDP皮弁の解剖的特徴とその安全な採取法についてのみ述べる。その他の皮弁においても,その栄養血管分布がaxial patternを主体としている場合には,その取り扱いの原則は共通だからである。
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