トピックス 鼻アレルギーの診断と治療—最近の知見
I.鼻アレルギーの診断法
荻野 敏
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.667-672
発行日 1997年9月20日
Published Date 1997/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901651
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はじめに
鼻アレルギーは,発作性反復性のくしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉を呈し,その発症にI型アレルギー反応が関与しているものを言う。そのうち,花粉がアレルゲンのものを特に花粉症と表現する。また,発作の季節性から通年性と花粉症などの季節性の鼻アレルギーに分類されることもある。
鼻アレルギーの診断法としては,表1のような項目が行われる。目的とすることは大きく2つに分けられ,1つは疾患の鑑別診断であり,もう1つは抗原(アレルゲン)の同定である。つまりくしゃみ,鼻汁,鼻閉あるいはその一部の症状を訴えた患者が鼻アレルギーであるか否か,どのような疾患であるかを鑑別するのが最初の目的であり,鼻アレルギーとしたならば原因抗原は何かを診断することが抗原の同定と言える。
疾患の鑑別診断として表1の1,2,3,4,5などが行われ,抗原の同定として1,6,7,8などがその目的として行われている。
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