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はじめに
耳下腺に発生した腫瘍を評価する場合,大きく2つの方法に分けられる。1つはいわゆる臨床症状から評価する方法である。これは腫瘍の存在から引き起こされる症状の有無から腫瘍の性質を評価するもので,顔面神経麻痺,疼痛,急速増大傾向などが挙げられる。もう1つは検査所見から評価する方法である。これは腫瘍そのものをターゲットにして得られた所見から,腫瘍の性質を評価するものでMRI,CT,超音波,穿刺吸引細胞診などが挙げられる。後者に関しては,その有用性や意義について昨今多くの報告がされている。しかし前者に関しては,系統だててその意義について考察している報告は少ない。そこで,われわれは耳下腺上皮性腫瘍の臨床症状に着目し,検討を行ったので報告する。
122 epithelial tumors of the parotid gland treated at Saitama Cancer Center were reviewed. 89 tumors were histologically benign and 33 were malignant. Adhesion, pain, reddish skin, facial nerve paralysis, history of rapid enlargement were significant indi-cators of malignancy. There was a significant dif-ference in mean value of the symptoms between the patients who died of tumor and the others. Facial nerve paralysis indicated the poor prognosis.
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