特集 外傷と耳鼻咽喉科
1.耳
3.鼓膜・中耳・内耳
1.直達外力による外傷 ①単純な鼓膜穿孔
平川 勝洋
1
1広島大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.29-33
発行日 1997年5月30日
Published Date 1997/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901593
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
外傷性鼓膜穿孔は,われわれ耳鼻咽喉科医が日常診療においてしばしば経験する疾患である。その原因は耳かきなどによる直達外力によるものから,平手打ちなどの外耳道圧が急激に上昇することによる介達性のものまで様々である。その診断は病歴や鼓膜所見から比較的容易である。また鼓膜の再生力は旺盛で,一般に特別な処置を施さなくても自然治癒する場合が多いとされている。
本稿では,外傷性鼓膜穿孔のうち,耳小骨連鎖離断や内耳障害を伴わない単純な穿孔例について,当科における症例の集計結果と過去の報告を比較しながら,その自然閉鎖に関与する因子,治療法などについて述べる。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.