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特集 基本診察・処置・手術のABC
《耳領域》
鼓膜穿孔閉鎖術と鼓膜形成術
Closure of the tympanic membrane perforation with artificial materials and myringoplasty using fibrin glue(simple underlay myringoplasty)
湯浅 有
1
Yu Yuasa
1
1仙台・中耳サージセンター
pp.316-320
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201546
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Point
●本法を施行する際には顕微鏡下における耳鏡内操作に習熟する必要がある。このため,まず耳垢除去や外耳道異物除去,鼓膜切開,鼓膜換気チューブ挿入など,外耳道無麻酔下での処置を無疼痛で遅滞なくできるようにすることが肝要である。
●中心性の鼓膜穿孔を有する真珠腫中耳炎に注意する。
●不十分な穿孔辺縁切除,小さすぎる移植弁は術後再穿孔の一因となる。
●耳鏡内は術野,操作野とも狭い。このため中・大穿孔例,外耳道彎曲・狭窄例においては,鼓膜形成に際し大きな1枚の移植弁よりも小さな複数枚の移植弁を使用したほうが,処置部位を明視下に置きやすく操作もしやすい。
●本法の適応の1つに,術前パッチテストによる十分な利得が挙げられる。生理食塩水などで湿潤させたシート状の綿花を材料にすると,パッチ時の疼痛の訴えは少ない。また,パッチテストを問題なく行うことが可能であれば,本法を局所麻酔下で行える判断材料の1つになる。
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