特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法
口腔・咽頭手術
4.いびき,睡眠時無呼吸症の手術—UPPP,LMGについて
西村 忠郎
1
1藤田保健衛生大学第2耳鼻咽喉科学教室
pp.84-87
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901465
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はじめに
いびき症や,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)に対して最も一般的な手術はUPPP(Uvulo-Palato-pharyngoplasty):口蓋垂・軟口蓋・咽頭形成術)であり,まずこの方法について述べる。この方法には種々の変法1〜3)があるが,筆者らの教室で実施している方法を中心に紹介する。
次に,LMG (laser midline glossectomy,レーザーによる舌根正中部切除術)について解説する。この方法はFujita4)により,アメリカ合衆国で最初に行われたものであり,舌根部に睡眠時,気道狭窄・閉塞をきたす場合に行われる方法である。一方,UPPPは軟口蓋や口蓋垂に起因する気道狭窄・閉塞の改善をはかる手術方法である。
したがって,いびき症やOSASの原因部位診断の結果を参考にして,咽頭に原因があるときはUPPP単独,LMG単独,両者複合の3種類の手術のいずれかを選択することになる。
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