トピックス 聴神経腫瘍
2.聴神経腫瘍の画像診断
橋本 省
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.654-662
発行日 1996年8月20日
Published Date 1996/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901405
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はじめに
頭蓋内は他の耳鼻咽喉科領域と異なり視診も触診も不可能であるため,血管撮影を含むX線写真と機能検査による診断が行われてきた。診断の精度が飛躍的に高まったのは,1972年にHounsfield1)らによって考案され実用化されたX線CTが導入されてからである。聴神経腫瘍についても,それまではX線写真による内耳道径の左右差あるいは造影剤注入による後頭蓋窩断層撮影などによる画像診断が行われていたが,X線CTにより腫瘍自体の描出が可能となった。さらに1980年代に入ると,MRI (magnetic resonance imaging,磁気共鳴画像法)が実用化2)され,再び診断精度が著しく向上することとなった。
ここでは,以上のような足取りを踏まえ,聴神経腫瘍の画像診断につき各方法の特徴や画像の読み方,注意点を解説すると共に,総合的な診断法についても述べることとする。
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