特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の画像診断
1.側頭骨・頭蓋底
2.側頭骨・小脳橋角部のMRI 2)腫瘍・炎症
橋本 省
1
1国立仙台病院耳鼻咽喉科
pp.34-40
発行日 1995年11月20日
Published Date 1995/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901233
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■はじめに
現在実用化され頻用されているMRIは,原理的にはプロトンすなわち水素原子核の分布により画像を構成するものであるから,水素を含まない骨および空気は信号を発さず,画像上では無信号となる。したがって,骨と蜂巣内の空気がほとんどを占める側頭骨は画像ではほぼ無信号,言い換えれば「透明」(図1c)であり,ここに病変が生じればそのまま画像に現れることになる。また,骨が無信号のためそれに隣接する小脳橋角部はX線CTのようなアーチファクトが無く,この部の診断にもMRIは不可欠である。ここでは側頭骨本体および小脳橋角部とその周辺の病変のMRI所見につき,代表例を提示しつつ述べることとする。
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