トピックス ウェゲナー肉芽腫症の診断と治療
2.ウェゲナー肉芽腫症の病理
青笹 克之
1
,
星田 義彦
1
,
古謝 静男
2
1大阪大学医学部病理病態学教室
2琉球大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.918-924
発行日 1995年10月20日
Published Date 1995/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901216
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はじめに
ウェゲナー肉芽腫症(Wegener's granulo-matosis,以下WG)は上・下気道および腎に非感染性,壊死性肉芽組織を形成する疾患であり1),およそ90%の患者では初診時,顔面症状を示す2)。このような顔面に壊死性,肉芽腫性病変を示す疾患は治癒することがなく,かつては致死的な経過をとることからlethal midline granuloma (以下LMG)の臨床病名が用いられてきた。
LMGはいくつかの疾患群からなるが,病理組織学的に癌,結核,梅毒を除外すると,WGのほかに悪性リンパ腫(以下m.l)およびpolymor-phic reticulosis(以下PR)がある3,4)。
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