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頭蓋底手術におけるMRI診断のキー・ポイント
高橋 久昭
1
,
鎌田 信悦
1
,
保喜 克文
1
1癌研究会附属病院頭頸科
pp.630-635
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901168
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はじめに
頭蓋底手術の進歩は,従来は切除不能との判断で姑息的治療に終わっていた頭頸部悪性腫瘍・頭蓋底進展症例に根治の希望をもたらした。しかし,頭蓋底領域は重要な神経や血管などが複雑に位置している部位であり,十分な安全域をとっての切除が困難であることから,頭蓋内に浸潤した場合の手術適応については議論の多いところである。したがって,術前には詳細かつ正確な浸潤範囲の診断が必要となるが,CTに比較して組織コントラストに優れたMRIの登場によって明瞭な腫瘍像を3次元的に把握することが可能となり,MRIは頭蓋底手術の術前検査として必要不可欠のものとなっている。
頭蓋底に浸潤した症例の手術適応およびその手術方法について論じる場合,次のような点が重要となる。
①頭蓋底骨への浸潤の有無,②脳硬膜への浸潤の有無,③脳実質への浸潤の有無,④中頭蓋底への浸潤の有無—特の海綿静脈洞との関係,⑤内頸動脈との関係。
以下,頭蓋底手術のおけるMRI診断のキー・ポイントのついて,症例を紹介して述べる。
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