Current Article
小児難聴とその扱い
田中 美郷
1
1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.293-302
発行日 1995年4月20日
Published Date 1995/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901115
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
乳幼児期から難聴が両側性に存在すると,言語発達はもちろん精神発達や人格形成にも重大な影響を与えることは論を待たない。ただしこれらの問題は二次的に生じるものであるから予防可能である。しかし対策が遅れれば遅れるほど問題解決は困難になり,取り返しのつかない事態を招くことにもなる。
ところで,難聴はいろいろな原因によって生じうる。これらの中には予防可能なものもあれば治療し得るものもある。一方医学的治療不能なものには治療教育がある。いずれの場合も早期対策が重視されるゆえに,本稿では難聴の早期発見・対策に重点を置いて現状を展望してみたい。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.