特集 手の外科
座談会
手の外傷の扱い方
鈴木 勝己
1
,
室田 景久
2
,
玉井 進
3
,
矢部 裕
4
,
広谷 速人
5
,
山内 裕雄
6
1関東労災病院・整形外科
2東京慈恵会医大・整形外科
3奈良県立医大・整形外科
4名古屋保健衛生大・整形外科
5京大・整形外科
6順天堂大・整形外科
pp.62-74
発行日 1975年1月20日
Published Date 1975/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206171
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わが国に手の外科学会が出来て17年になる.この間,整形外科医を中心として学会は盛大となり,内容も充実して来たが,実際の手の外傷のほとんどが,第一線の病院や診療所で処置されている状態には変りがない.この間に,これら症例の受けた治療に進歩があつたかについての答はさまざまであろう.いずれにせよ未だ理想の状態にはほど遠いことは,残念ながら事実である.これには,手の外科をあまりにも特殊なものとして,『仲間うち』で温め過ぎていた傾向が手の外科医側にありはしなかつたであろうか.一方,実際に手の外傷を扱つた医師の側にも,「たかが手ぐらい」という気持がありはしなかつたであろうか.この両者間の溝が浅くならない限り,手に外傷を受けた患者の不幸は今後も続くであろう.この座談会が少しでもそのために役立つならば幸いである.
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