鏡下咡語
医学生における終末期医療のカリキュラムを考える
形浦 昭克
1
1札幌医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.144-146
発行日 1995年2月20日
Published Date 1995/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901089
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医学教育の流れが変革するなかで,医学部のカリキュラムにおいても終末期医療を中心とする死生学のカリキュラムが問われる様になって,およそ10年の歳月が流れてきた。私どもの大学においてもその時期から最終学年に特別講義として“末期癌患者のケア”について実施してきた。各大学において新しい教育システムが導入されるなかで,本学でも昨年から新入生を対象に,その秋学期から医学概論が講義として実施されるに至った。すなわち医療経済,地域医療,東洋医学,救急医療および心身医学などに加え,ターミナル・ケア(ホスピス),尊厳死の項目とともに,本年度はインフォームド・コンセント,医師と患者との関係,および死についてなどが取り上げられている。今まで検討されなかった科目として,これらの導入は教官および学生には何となく溶け込めないところがあったのも確かであった。これら終末期医療のなかでスタッフは,そして学生は何を学び,研修するかが問題であり,良い医師を育てるためのかかるカリキュラムは,本学にとっては画期的であり,大学としてもどの様にカリキュラムのなかに位置づけるかが大きな関心事であった。
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