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緒言
頭頸部癌に対しては,手術療法を中心として放射線療法や化学療法を組み合わせた集学的治療が行われており,なかでも手術療法に関しては近年,再建手術の進歩により拡大手術が安全かつ確実に行えるようになり治療成績の向上がみられている。また,化学療法においては白金製剤の開発により成績が向上し,放射線と化学療法との併用も積極的に行われ,進展例や再発例に対して優れた効果を示している1〜9)。しかし,以上に述べたような頭頸部癌治療の進歩にもかかわらず,依然として再発と転移は困難な問題である。諸家の報告では,徹底した1次治療にもかかわらず,30%前後の再発あるいは遠隔転移が認められており,一般にそのような場合の治療は非常に困難である1)。再発に対する手術適応は限られており,たとえ手術可能であっても,重大な機能障害が生じるなどで患者の同意が得られない場合も少なくない。様々な理由で再発に対する根治的手術ができない場合,担癌状態であってもQuality of Lifeを低下させずに少しでも長期間社会生活を営むことができる治療法が最も望ましいと考えられる。このような場合に主体となるのは化学療法あるいは放射線療法であると考えられる。
Two cases of recurrent and unresectable squamous cell carcinoma of the head and neck were treated with simultaneous carboplatin (CBDCA)and radiation therapy. The therapeutic effects were remarkable and the tumors were disappeared. As complications, mucositis was observed in one case without delay or discontinuance of the treatment. As the results, it was considered that a simultaneous CBDCA and radiation therapy was effective as a treatment for unresectable or recurrent head and neck cancer.
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