目でみる耳鼻咽喉科
ワルチン腫瘍のMRI
岩井 大
1
,
池田 耕士
2
,
田中 敬正
2
,
山下 敏夫
1
1開西医科大学耳鼻咽喉科学教室
2開西医科大学放射線科
pp.180-181
発行日 1994年3月20日
Published Date 1994/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900883
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最近の画像診断とくにMRIの普及は目をみはるものがある。一方,ワルチン腫瘍は耳下腺良性腫瘍のなかで混合腫瘍に次いで頻度の高いもので,したがって,そのMR像を検討することは意義があると考える。
ワルチン腫瘍の組織学的特徴は,リンパ濾胞を有するリンパ組織を間質として,そのなかに二層性の上皮性細胞からなる小嚢胞の増殖を示し,ときにこの嚢胞が発達して肉眼的嚢胞を形成することとされる。実際の腫瘍組織をみると,リンパ濾胞の増殖が顕著で小嚢胞の少ない部分や,反対にリンパ濾胞の発育は悪いが小嚢胞の増殖が強いもの,肉眼的嚢胞を含むものまで様々である。そこで,リンパ間質の発達した部分をリンパ間質型,肉眼的嚢胞が発達し管腔体積の割合の高い部分を嚢胞型,リンパ間質と小嚢胞とがほぼ均等に存在する部分を混合型と,3つの型に分類した。
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