増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
7.組織内病原体の日常染色法
e)Helicobacter pyloriの証明
ワルチン・スターリ法
金子 伸行
pp.782-784
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905890
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はじめに
ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)は1983年,オーストラリアのワレン(Warren)とマーシャル(Marshall)によってヒトの胃粘膜より分離培養された,らせん状グラム陰性桿菌である.H. pyloriは胃炎,消化性潰瘍との関連が示唆されており,さらに胃癌,MALTリンパ腫などとの関係についても議論されている.H. pyloriの一般的な存在診断法は表に示すとおりである.それぞれの検査には長所,短所があり,複数の検査法を組み合わせて判定することが一般に行われている.
組織形態学的にH. pyloriを同定する染色法としては,ヘマトキシリン・エオジン染色(Hematoxylin-Eosin stain,HE染色),ギムザ染色(Giemsa stain),ワルチン・スターリ法(Warthin-Starry method)などがある.その他に蛍光法のアクリジン・オレンジ法(acrysin-orangemethod),抗H. pylori抗体(DAKO社,ダイアヤトロン社などから市販されている)を用いた免疫組織学的検索法などが利用される.
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