Japanese
English
手術手技 私のくふう
脂肪層をつけた遊離皮膚移植術の経験—含皮下血管網遊離全層植皮法
Free Skin Grafts with A Fatty Tissue
扇内 幹夫
1
,
服部 憲明
1
,
知野 公明
1
,
永嶋 和男
1
,
塚原 哲夫
1
,
山上 繁雄
1
,
藤巻 悦夫
1
Mikio Ogiuchi
1
1昭和大学附属豊洲病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyosu Hospital, Showa University School of Medicine
キーワード:
含皮下血管網遊離全層植皮
,
free skin grafts with a preserved subcutaneous vascular network
,
脂肪付き遊離植皮
,
free skin grafts with a fatty tissue
,
熱傷用グラフトPVFスポンジ
,
polyvinil formal sponge
Keyword:
含皮下血管網遊離全層植皮
,
free skin grafts with a preserved subcutaneous vascular network
,
脂肪付き遊離植皮
,
free skin grafts with a fatty tissue
,
熱傷用グラフトPVFスポンジ
,
polyvinil formal sponge
pp.1085-1089
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908189
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:遊離植皮で術後に皮下脂肪のある植皮であれば四肢には有効である.今回,塚田の開発した含皮下血管網遊離全層植皮法に準じた植皮(薄い脂肪組織をつけた遊離植皮)を28例に追試した.恵皮部は全例鼡径部である.その結果,100%生着は20例(71%),部分壊死(80%以上生着)は5例(18%),不成功例(70%以上の壊死)は3例(11%)であった.生着率は従来の全層植皮術と同等と考えられた.しかも,全層植皮で得られなかった移植部の適当な厚みと移動性を得ることができた.手術適応は従来の全層植皮と同様であり,母床状態が良くなければならない.血行の悪い母床には熱傷用PVF spongeを用い,良好な肉芽の形成を得ることが可能であった.しかし過剰な肉芽には適当な削除が必要であった.本方法は植皮部に移動性や弾力性が得られるので,手の外科や関節近傍には最適と考えられた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.