トピックス 補聴器の処方
補聴器の適応と適応決定のための検査
田内 光
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院耳鼻咽喉科
pp.335-340
発行日 1992年5月20日
Published Date 1992/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900533
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はじめに
難聴を訴えて来院した人々に,われわれはまず診察をして難聴の原因が何であり,治療の必要性を判断し,改善しない場合,この難聴は治りませんと宣言するわけである。ここまでは耳鼻咽喉科医であれば今までも一般に行ってきたことである。しかし話をさらに一歩進めて,難聴は治りませんから補聴器をつけてみてはいかがですか,と勧める医師がどれだけいるであろうか。最近は耳鼻咽喉科医の中にも,補聴器に関心を持つ医師が多くなってきた。大学病院クラスの大病院では,専門の補聴器外来を持つ病院も多くみられるようになってきた。しかし,開業をしている実地医家の医師も含めて考えるとまだまだ少ないのが現状である。
なぜ補聴器への関心が薄いのか。まず補聴器に対する無理解,最初から補聴器は難しいものであるという思い込みもあるであろう。しかしながら,補聴器の基本的な構造はさほど難しいものではないし,医師がその細かい構造にまで熟知する必要はないのである。
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