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ICR'91(International Congress of Rhinolegy)—国際鼻科学会議—は,9月23日から28日の6日間にわたって東京で開催された。会場は京王プラザホテルで,3,4,5階を主に用い,42,47階もプログラムによっては使用するという盛大なものであった。9月21日から23日にかけては,第3回世界睡眠時無呼吸といびき症会議(3rd World Congress on Sleep Apnea and Rhonco-logy,III WCSAR)が開かれていたから,9日間という長期の滞在を強いられることになった.なお,直前のイタリアでの国際会議に行かれた方は一層苛酷な出張になったことと思われる。
ICR'91は,内容的には3つの学会の合同会議である。開会式で述べられた高橋良名誉教授のAddrcssによると,今までの歴史や経緯は次のようなことであった。ICRは1956年,Maurice Cotte教授によりコネチカットで開催されたのが第1回目であった。手術技法の習得とか,あるテーマについての受講というような専門医としての研修の形式で行われたことが大部分であり,開催国もアメリカが最も多い。一方,InternationalRhinologic Society (IRS)もCottle教授によって,1961年に創立されていたが,日本がこれに加盟したのは比較的遅い。これは,北アメリカ,南アメリカ,ヨーロッパ,アジアの4ブロックに分かれている。日本鼻科学会がIRSに加盟するに当たっては,学会員の数からいっても研究・臨床のレベルからいっても,経済的基盤からいっても,当然学会開催の要諺があった。当時の日本鼻科学会理事長は高橋良教授で,シンポジウム,フリーペーパーなど一般の学会形式で行うことを条件として,lCRの会長を引き受けたのである。従って,今回のICRの会長は高橋教授である。
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