特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
II.外来治療の実際—私の処方
19.鼻腔異物
赤木 成子
1
1岡山赤十字病院
pp.180-181
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900415
- 有料閲覧
- 文献概要
鼻腔異物の大部分は,意識的に患者本人により挿入された物である.幼小児では手に解れた物を鼻内に押し込む性癖があり,鼻腔異物症例の大部分は幼小児である.異物には,プラスチック,ガラスや金属性の品,例えば玩具,磁石等,その他に紙,消しゴム,豆類などさまざまな物がある.ただし意識的に挿入されるため,疼痛が少なくて挿入できる.比較的表面平滑で形や大きさの似かよった物が多い.成人では鼻内をきれいにしようとして挿入されたティッシュペーパーや綿が異物となることがある.また稀に医原性異物として綿,ガーゼ等が見られる.
鼻腔異物の挿入直後の症状は異物感,一側性鼻閉であるが,時間が経過すると炎症をきたし,一側性鼻漏,悪臭,疼痛等が出現してくる.幼小児では,異物挿入の事実を隠して発見が遅れることがある.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.