特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
II.外来治療の実際—私の処方
20.鼻出血
大島 渉
1
1京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科
pp.182-184
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900416
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はじめに
耳鼻咽喉科外来患者総数の数%が鼻出血患者であるといわれるほど,耳鼻科医にとって鼻出血は良く遭遇する疾患のひとつである.しかしながら,ひとつの疾患であっても時によりいろいろな状況が作り出され,各段階での適切な判断が要求されるので,興味ある疾患でもある.緊急時には耳鼻科のプロ医師らしく迅速な止血処置が要求され,麻酔科的な全身管理も必要になってくる.恒常的な止血を考えるならば外科医師として手術的加療も考えなければならない.出血が落ち着けば,基礎疾患や全身疾患の検索・加療という内科的発想も持ち合わせなければならない.すなわち,各時点で思考過程の基本を耳鼻科・麻酔科・外科・内科と振り分けなければならない(図1).
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