特集 滲出性中耳炎—最新の知見—
II.成因と病態
Atelectatic ear
大西 俊郎
1
1聖路加国際病院耳鼻咽喉科
pp.787-792
発行日 1984年10月20日
Published Date 1984/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209846
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I.はじめに
atelectatic earの語源はギリシャ語に由来し,imperfect expansionの意味で,従来は無気肺の意味に用いられた。その後,虚脱とか含気量の減少の意味で用いられ,それが中耳にも適用され含気量の低下を意味したり,また鼓膜の強い内陥を意味する言葉として用いられている。
atelectatic earの日本語訳はいまだ試みられたことがなく,英語のままで用いられているが,和訳すれば本症の主病変が中耳のcollapseであることから「虚脱耳」が適当と思われる。
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