特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
11.内視鏡下鼻内副鼻腔手術
春名 眞一
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科
pp.87-95
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101250
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Ⅰ はじめに
慢性副鼻腔炎の病態の軽症化と内視鏡を中心とした光学機械の発展に伴って,内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic endonasal sinus surgery:ESS)は世界的な標準術式になっている。その目的は,中鼻道自然口ルート(ostiomeatal complex)を開放して各副鼻腔自然口を可及的に開大し,換気と排泄機能を促し,洞内の粘膜を正常化させることにある1~3)。一方,社会情勢の変化とともに患者は入院期間の短縮を希望し,手術は両側の副鼻腔を1回の手術で済ますことが多くなった。しかしながら,入院期間の短縮は,手術内容の制限や術後の合併症発症の危険性が高くなると予想される。ショートスティサージャリーでのESSは,患者側の希望のみで決定すべきでなく,副鼻腔炎の病態,術後管理の仕方,合併症対策や患者の背景などを総合的に考えて選択すべきである。
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