トピックス 心因性難聴
心因性難聴(機能性難聴)の検査と診断—検査法に関する2,3の試み
細井 裕司
1
,
戸所 道子
1
,
石川 雅洋
1
,
村田 清高
1
,
太田 文彦
1
1近畿大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.979-983
発行日 1990年10月20日
Published Date 1990/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900174
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はじめに
心因性難聴は,機能性難聴または非器質性難聴と呼ばれる疾患群の一病型と考えられているが,厳密な定義や類似疾患の名称については研究者によって種々な見解がある。従来,機能性難聴の検査法は,詐聴検査法として述べられている場合が多かった。しかし聴力検査法としては,機能性難聴の検査法として存在し,心因性か詐聴か等の判断は,他の因子によって決定されることが多い。従って心因性難聴の検査の目的は,器質性難聴か,機能性難聴かの鑑別と,真の聴力閾値(この場合は器質性難聴の部分の聴力閾値)の確定が主となる。本稿では,従来から行われている検査法とともに,我々が施行している検査法上の工夫について述べる。
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