目でみる耳鼻咽喉科
眼球運動3成分の解析—コンピュータ画像認識による
八木 聰明
1
,
山野辺 滋晴
1
,
森園 徹志
1
,
平良 晋一
1
,
黒崎 貞行
1
,
神尾 友和
2
,
片山 圭一朗
3
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
2神尾記念病院
3フライト株式会社
pp.712-713
発行日 1990年9月20日
Published Date 1990/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900121
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- 文献概要
眼球運動の記録には,臨床検査上電気眼振計(ENG)が最も広く用いられている。しかし,ENGの最大の欠点は,めまいの診断にとくに重要な意味をもつ回旋性眼球運動を記録できない点にある。そこで,最近その発達のめざましい小型CCDカメラとビデオ録画装置で眼球運動を録画し,その画面から眼球運動の3成分(水平,垂直,回旋)を同時に自動解析するシステムを開発した。撮影に赤外線CCDカメラを用いることにより,鮮明な画像の録画と解析も,より容易にした。解析には,コンピュータ画像認識の手法を用い,瞳孔の重心点の移動から水平と垂直の眼球運動を,また,その瞳孔の重心点と任意の虹彩紋理のなす角度から,眼球の回旋運動を計算した。このようにして得られた解析結果から,温度眼振に関わる3つの半規管の役割,良性発作性頭位眩量症の眼振発現責任部位,眼球反対回旋の神経機構などの分析研究を発展させつつある。また,コンピュータのソフトウエアの一層の改善,記録系を含めたハードウエアの充実も合せて行っている。
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