トピックス 顔面神経麻痺
顔面神経麻痺の治療
小池 吉郎
1
,
斉藤 修
1
1山形大学医学部耳鼻咽喉科
pp.565-569
発行日 1990年7月20日
Published Date 1990/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900096
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はじめに
末梢性顔面神経麻痺を呈する疾患のうち,ベル麻痺は70数%であり,次いでハント症候群が約10%を占める1)。ベル麻痺の予後はハント症候群に比べ概して良好とされるものの,完全に回復するものは約60%で,残る30〜40%前後は不完全治癒となり,何らかの後遺症を残す。さらにこハント症候群では諸治療にこもかかわらず半数以上の症例が完全麻痺に至り,これらの症例の予後は極めて不良である。
しかしながら最近では顔面神経麻痺,特にベル麻痺の病態が少しずつ明らかになるにつれて病態に即したより合理的な治療法が開発され,治癒率の向上がめざましく,特にステロイドを主体とした保存的療法は,現在ベル麻痺の治療のfirstchoiceになっている。
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