増刊号 画像診断パーフェクトガイド―読影のポイントとピットフォール
部位別診断法
Ⅰ.耳・側頭骨
顔面神経麻痺と顔面神経鞘腫
濵田 昌史
1
1東海大学医学部耳鼻咽喉科
pp.98-102
発行日 2014年4月30日
Published Date 2014/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102814
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画像診断の狙い
顔面神経麻痺症例における画像診断の目的は,ズバリ「ベル麻痺をベル麻痺と診断する」ことである。ベル麻痺は末しょう性顔面神経麻痺症例の6~7割を占めるが,このベル麻痺を特発性(原因不明)であると確認するためには,そのほかのハント症候群,外傷,中耳炎,腫瘍などを否定する必要がある。ハント症候群は皮疹・粘膜疹の存在,難聴・めまいの有無ならびに抗水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗体価によって鑑別され,外傷性麻痺と中耳炎性麻痺はその病歴,鼓膜所見よりそれぞれ鑑別可能なので,画像診断の一番の役割は1%程度ながら確実に存在する腫瘍性麻痺をベル麻痺から識別することにほかならない1)。
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