増刊号 結果の読み方がよくわかる! 耳鼻咽喉科検査ガイド
Ⅱ.めまい・平衡機能検査
自覚的視性垂直位(SVV)検査
山中 敏彰
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科/めまいセンター
キーワード:
SVV
,
垂直位
,
めまい
,
耳石器
,
重力
Keyword:
SVV
,
垂直位
,
めまい
,
耳石器
,
重力
pp.116-120
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202992
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POINT
◆自覚的視性垂直位(subjective visual vertical:SVV)は,視覚的に垂直と感じる軸の精度を評価する検査である.
◆臨床的には,身体の重力認知機能を評価して,めまい・平衡障害の原因となっている病変部位や経路を推定すること,その回復過程や治療効果を判定することを主な目的としている.
◆SVVは,前庭神経炎の急性期やメニエール病発作期などの末梢前庭疾患,ワレンベルグ症候群などの下位脳幹病変では患側に偏位し,他方,上位の脳幹(橋・中脳)障害では反対側に偏位を示す.
◆SVV値の正常域は2〜2.5度以内とされており,末梢前庭や前庭神経核の病変では高値(7〜13度),視床や大脳皮質などの高位中枢病変では比較的低値(3〜6度)を示す.
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