増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療
1.耳科編
機能性難聴—心因性難聴,聴覚情報処理障害,学習障害
阪本 浩一
1
1大阪市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学
キーワード:
機能性難聴
,
心因性難聴
,
発達障害
,
聞き違い
,
聴覚情報処置障害
,
APD
,
学習障害
Keyword:
機能性難聴
,
心因性難聴
,
発達障害
,
聞き違い
,
聴覚情報処置障害
,
APD
,
学習障害
pp.47-52
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202360
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ここを押さえておこう
●機能性難聴は,自覚症状を持つ場合,持たない場合の両方が存在する.その難聴は両側,片側,伝音性,感音性難聴のどんなパターンもありうる.そのため,小児ではもちろん,成人でも難聴を訴えるすべての症例において鑑別として考えるべき疾患である1).
●機能性難聴の鑑別診断には,歪成分耳音響放射(DP-OAE)検査が有用である.確定診断には聴性脳幹反応(ABR)検査,聴性定常反応(ASSR)検査を行う.
●機能性難聴の背景に,自覚症状に乏しい発達の遅れや凹凸を持つ児童・生徒が多い.聞き違い,聞き取りにくさを持つ児童も存在する.このなかに,聴覚情報処理障害や,読み書き困難をはじめとする学習障害を持った児童が含まれることがある2,3).
●児童・生徒の「しんどさ」が機能性難聴に現れているとも考えられ,そのサインを丁寧に汲み取って,必要な支援に繋げたい.
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