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はじめに
ポリグリコール酸(PGA)は,吸収性縫合糸をはじめとして医療分野で幅広く使用され,安全性が高い1)。シート状の吸収性縫合部補強材として開発されたものが,PGAシートである2)。
山中ら3,4)は,PGAシートを使用した鼓膜形成術は有効であると報告した。これらの報告に基づき,当院でも2017年4月からPGAシートを使用した鼓膜形成術を開始した。湯浅ら5)が報告した接着法に基づき,移植片の固定の際にPGAシート使用している。
これまで当院は,移植片の固定にはフィブリン糊を使用するか,フィブリン糊を使用しない場合は鼓室内にゼルフォーム®を充塡し,土台を作って対応していた。フィブリン糊は献血から得られた血液製剤であるため,感染のリスクの説明と承諾書も必要である。鼓室内にゼルフォーム®を充塡する方法では,土台としてやや弱く,移植片が落ち込むことが多かった。PGAシートを使用する方法は承諾書も不要であり,鼓室内に脱落することもなく,支持材料として有用であると考えられたので報告する。
To secure a graft to the perforation in myringoplasty, we used a polyglycolic acid(PGA)sheet instead of conventional fibrin glue. For 20 ears of 17 patients who underwent myringoplasty using a PGA sheet in 1 year, closure rate and postoperative hearing ability were assessed. In addition, reperforation cases were studied. The results demonstrated that the PGA sheet has a role not only in incorporating and reinforcing the graft but also in promoting epithelialization, and may be useful as a new supporting material.
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