増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅳ.救急外来・当直での処置と治療
外傷
喉頭・気管外傷
梅野 博仁
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
喉頭気管外傷
,
開放性外傷
,
鈍的外傷
,
化学熱傷
,
熱傷
Keyword:
喉頭気管外傷
,
開放性外傷
,
鈍的外傷
,
化学熱傷
,
熱傷
pp.148-151
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202041
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当直医へのコール
喉頭・気管外傷の患者が救急外来や時間外に受診する場合,開放性外傷または鈍的外傷が多く,呼吸苦を訴える症例があるので注意を要する。以下に当直医にコールがある場面の特徴について箇条書きで示す。
●開放性外傷
・包丁やナイフによる自殺企図が原因の多くを占める。
・年齢と性別は30歳以上の成人男性に多い。
・頸動脈損傷や呼吸困難を伴うことはほとんどないが,頸部からの出血が多く,救急車で救命救急センターへ搬入される例が多い。
・全身状態に問題がなければ,耳鼻咽喉科医での対応を依頼される。
●鈍的外傷
・剣道の竹刀による突き,格闘技の練習や試合中の打撲,野球の打球による外傷など,スポーツや喧嘩,交通事故による頸部打撲,転倒による頸部打撲などの過失,ロープや鉄筋による労働災害などによるものが多い。
・10〜50歳台の比較的若い年齢の男性に多い。
・全身状態は良好な場合が多く,交通外傷を除けば徒歩での受診例が多い。
●化学熱傷
・自殺企図によるアルカリの服用や酸性化学物質の吸入などの化学熱傷があるが,頻度は少ない。
・アルカリによる化学熱傷では重症化する。
・救急車による搬入例が多い。
●熱傷
・火事などによる気道熱傷があるが,頻度は少ない。
・救急車による搬入例が多い。
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