増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅲ.症状からみた鑑別診断
頭痛/顔面痛
横井 秀格
1
1杏林大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
二次性頭痛
,
危険な頭痛
,
詳細な問診(性状と経過)
,
随伴症状
,
正確な画像診断
Keyword:
二次性頭痛
,
危険な頭痛
,
詳細な問診(性状と経過)
,
随伴症状
,
正確な画像診断
pp.81-86
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202027
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当直医へのコール
●頭痛や顔面痛を呈する患者が救急外来を受診し,耳鼻咽喉科医が診察する際に最も頻度が高いものは鼻副鼻腔疾患のなかの急性炎症であり,感冒症状ののちに,急激に頭痛や顔面痛を自覚することが多い。
●成人や高齢者の鼻出血を伴う頭痛では,鼻副鼻腔の腫瘍性疾患が疑われる。
●次に頻度が高いものは,耳疾患の急性炎症やめまいを併発するものである。炎症による耳痛から頭痛を訴えるものは子どもに多く,めまい症状を伴う頭痛は成人から高齢者に多い。
●症状の程度によるが,全身状態が良好であればwalk inが多く,強いめまい,嘔気や意識レベルの低下,もしくは眼症状を伴う際は救急車での搬送となることもあり,脳外科や眼科からのコンサルトも稀ではない。
●注意を要するものとして,発症後早期には明らかな神経脱落症状などを伴わない中枢性疾患があり,念頭に置いておく必要がある。
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