Japanese
English
特集 耳鼻咽喉科で診る睡眠障害
耳鼻咽喉科診療で必要な睡眠薬の知識
Knowledge of sleeping drugs in ENT practice
宮崎 総一郎
1
,
北村 拓朗
2
Soichiro Miyazaki
1
,
Takuro Kitamura
2
1中部大学生命健康科学研究所
2産業医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
pp.518-528
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201339
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
POINT
●現在,不眠治療目的で用いられている睡眠薬は,作用機序による分類から,①ベンゾジアゼピン系,②非ベンゾジアゼピン系,③メラトニン受容体作動薬,④オレキシン受容体阻害薬が国内で使用されている。
●臨床で主に使用されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系であるが,「睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン」では,睡眠薬を使用する場合には,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を第1選択とすることが好ましいと推奨されている。
●メラトニン受容体作動薬であるラメルテオンは,ベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比較して催眠効果がそれほどシャープではない印象がある。しかし,「退薬症状」や「耐性」などが現れない薬と考えられている。また,呼吸抑制,筋弛緩作用などがないので,睡眠時無呼吸症候群の不眠例には投与可能である。
●これまでの不眠治療は,薬物治療が主体であったが,ベンゾジアゼピン系睡眠薬のリスク・ベネフィット比が不良であることが明らかにされ,睡眠衛生指導や認知行動療法が重要視されている。
●体質によって睡眠の多様性があることを考慮し,個々人に合った睡眠習慣や睡眠時間をアドバイスすることが大切である。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.