増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅱ めまい・平衡機能検査
4 温度眼振検査,回転刺激検査
藤坂 実千郎
1
1富山大学医学部耳鼻咽喉科
pp.129-135
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201246
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●目的
【温度眼振検査】
・めまい疾患の患側決定
・末梢前庭機能の左右個別評価
・固視抑制障害による中枢平衡障害の評価
【回転刺激検査】
・迷路機能障害に対する中枢代償過程の評価
・内リンパ水腫推定検査(フロセミドVOR)
●対象
【温度眼振検査】
・メニエール病,前庭神経炎,聴神経腫瘍,あるいは前庭眼反射経路の異常が推定される疾患
中耳炎は必ずしも禁忌ではないが,鼓膜穿孔を伴った外リンパ瘻は,感染による内耳炎を起こす可能性があり,禁忌と考えられる。
【回転刺激検査】
・前庭神経炎治療後の中枢代償過程
・中耳(鼓膜穿孔,耳漏を伴う中耳炎)・外耳(外耳道閉鎖など)疾患にて温度眼振検査が施行できない,あるいは検査結果にバイアスがかかるような症例
禁忌ではないが,椅子に固定できない小児などは検査の実施が難しい。
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