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特集 いまさら聞けない聴覚検査のABC
耳音響放射と聴性脳幹反応検査
Otoacoustic emissions and auditory brainstem response
原田 竜彦
1
Tatsuhiko Harada
1
1国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科
pp.421-428
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200998
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POINT
●耳音響放射は蝸牛の外有毛細胞の能動運動機能,聴性脳幹反応は蝸牛神経から脳幹部の機能を反映する。臨床測定に用いられる耳音響放射には誘発耳音響放射と歪成分耳音響放射がある。
●聴性脳幹反応の測定では,頭頂部と耳垂付近へ電極を貼付する際に電極と皮膚の間の電気抵抗を小さくする。
●耳音響放射の測定では外耳道径に応じた適切な大きさの耳栓を選択して外耳道を密閉し,安定してプローブを留置する。
●聴性脳幹反応および誘発耳音響放射は時間波形として測定結果が表示されるので,典型的波形を理解して結果を判断することが重要である。
●聴性脳幹反応と耳音響放射はともに他覚的聴覚評価に活用されているほか,双方を組み合わせることで聴覚障害の部位診断に活用できる。また,歪成分耳音響放射は聴覚障害の早期発見にも役立つ。
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